
さぁ、"建築の物語"を共に開きましょう
私が建築を志したのは、高校生のときでした。
小学生の頃から宇宙開発に憧れていた私にとって、「近いうちに石油が枯渇するかもしれない」——そんな資料との出会いは、価値観を大きく転換させるものでした。地球の未来に関わる仕事がしたい。その想いから、「創造を通じて社会や環境の課題に応答する仕事」として、建築の道を選びました。
いま、私たちを取り巻く世界は、大きな揺らぎの中にあります。気候変動、自然災害、AIをはじめとする技術の進展——こうした時代において建築が果たすべき役割は、単なる“箱”をつくることではなく、人と人、人と自然、地域と営みが響き合う"場"を育むことだと、私たちは考えています。
ハジマリアーキテクツは、建築を通じて《ハジマリ》をひらき、"場"の力を呼び覚ますことを大切にしています。
それは、その土地や人に眠っていた可能性が、建築の営為によって動き出す「関係の連鎖のはじまり」です。
新築設計にとどまらず、空間の再生や地域デザインにおいても、私たちは関係性の構築と共創のプロセスを重視し、クライアントや地域と丁寧に対話を重ねながら、構想の実現に向けて伴走する姿勢を大切にしています。
たとえば、ホテル『GALLERIA MIDOBARU』では、クライアントの想いを出発点に、別府の地形や記憶を読み解き、地域の素材やリソースを活かしながら、アーティストやデザイナーと協働し、ここでしか生まれ得ない建築を実現しました。
一方で『大分銀行赤れんが館』では、明治から続く都市の記憶を継承しながら、街の創造を引き寄せるクリエイティブハブとして再生。長年にわたり変遷してきた空間に、新たな価値を宿す場づくりをクライアントと共にかたちにしました。
また、私たちの仕事は、建物をつくることにとどまりません。人と人の関係性や未来への期待を丁寧に育みながら、それらが息づく“かたち”として空間を立ち上げていく——そのプロセスすべてを大切にしています。
自社事業として取り組んだ『HAJIMARI Beppu』では、築45年の建物を取得・耐震改修し、宿と文化拠点を兼ねた複合施設として再生。地域の共同温泉を守る方々やアーティスト、NPO法人と協働しながら、新たな出会いや物語が芽生える"場"を育んでいます。
加えて、公共空間に「可動建築」を導入する実践を重ね、人の活動がまちに自然にめぐる仕組みづくりにも挑戦しています。
建築は、すぐに世界を変えるものではありません。
けれども、時間をかけて人や地域に静かに作用し続ける力があると、私たちは信じています。
私たちは2015年にDABURA.m株式会社としてスタートし、国内外のさまざまなアワードで評価をいただきながら、多くのプロジェクトに取り組んできました。そして設立10周年を迎える2025年には、志を共にする仲間とともに、より社会にひらかれた存在を目指して、「ハジマリアーキテクツ株式会社」へと社名を改めました。
現在は、別府の「Office West」と東京・世田谷の「Office East」、二つの拠点を軸に活動しています。
異なる地域での実践を通じて、それぞれに固有の課題と向き合いながら、根底にある共通の問いにも気づかされてきました。こうして得た知見や感性を横断的に活かし、さまざまな地で新たな《ハジマリ》と出会い続けたいと考えています。
ハジマリ、ハジマリ。
さあ、建築の物語を、共にひらいていきましょう。
あなたの大切な場所に、どんな《ハジマリ》をひらけるか。
ぜひ、お聞かせください。私たちは、共に考え、共に創るパートナーでありたいと願っています。
ハジマリアーキテクツ株式会社
代表取締役 Takafumi Mitsuura